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徒然を赴くままに

日本語教育について調べてみた - 学習者の現状

最近、外国人に日本語を教える、ということを考えていました。

 

きっかけは、コスタリカにいったときに泊まったパン屋兼ホステルの宿泊客との会話。オーストリア人のジェントルマンは、南米で英語を教えながらお金を稼ぎながら旅をしており、ドイツ人の女性は、コスタリカの学校で英語教師をしていました。

 

外国人に英語を教えることなど、僕の英語力では到底不可能ですが、では母国語である日本語を教える、ということは職業になるのか?

 

日本には、外国人に日本語を教える職業として、日本語教師があり、ネットにも様々な情報が溢れています。昨今、日本は訪日観光客数が過去最高を記録するインバウンドブームで、海外でも日本文化ブームとなっているとメディアでは報道されていますが、日本語学習を取り巻く環境はどうなのか。調べてみると、比較的新しい情報が見つかりました。

 

日本語学習者の現状

2015年度海外日本語教育機関調査結果(国際交流基金)

 

これによると、海外の日本語学習者数は、2015年には減少に転じています。

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理由は、学習者数上位3位の中国・インドネシア・韓国の教育課程変更や少子化の影響で、3か国の数値がすべて減少しています。

 

一方、この3か国を除くと、海外の学習者数は増加しています。

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また、日本語教育の機関数は、韓国以外は概ね増加しており、世界全体で見ると、中華圏に偏っていた状況から、より多様な文化圏に日本語教育が浸透してきていると言えそうです(それでも十分、中華圏の学習者数は多いですが)。

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日本国内でも、外国人登録者数は韓国人が減少する一方、最近ではネパール人、ベトナム人が増加しており、国内の日本語学習者もより多国籍化しています。

 

今後は?

訪日観光客はこれからも増えていく、国としても増やしていく方策なので、日本文化に興味を持つ人は増えていくと思います。ただ、海外での日本語学習は、各国の教育課程に左右され、外国語として近隣の諸外国が英語を重視する方向に進んでいるため、そうなると日本語学習の優先度は低くなります。一方、日本政府は高度人材や技術労働者として海外から人に来てもらおうとしているため、日本国内での日本語学習者数は増えていくのではないでしょうか。

実際、文化庁の調査でも、学習者数は増えています。

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出典:平成 26 年度日本語教育実態調査の結果について

そうなると、日本語教師の需要は高くなっていくはずですが、こちらはまた別の機会に書こうと思います。