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徒然を赴くままに

日本語教育について調べてみた2

海外での日本語教師の需要は、多分に各国の教育課程の影響を受け、日本語よりも英語教育にますますシフトしていることから、大きな増加は見込めないでしょう。教育課程は日本との外交関係にも影響されると考えられ、日本語学習者数上位の韓国や中国との関係を考えると、先行は一層不透明です。その代わり、オーストラリア・タイ・ベトナムなどの日本語学習者数は増えており、学習者の顔ぶれはより多様になっていきそうです。

 

日本在留の外国人

では、日本に入国・在留する外国人の現状はどうなのか?法務省のHPに出入国者数と在留外国人数の統計があります。

統計 | 入国管理局

 

近年、訪日外国人は増加しているのは周知の事実ですが、在留外国人数もリーマンショック東日本大震災後を経て、右肩上がりとなっています。

 

国籍では、韓国人が減る一方、ベトナム・ネパール国籍の人が増えており、より多国籍化しています。

表向きは、移民・難民の受け入れに消極的ですが、在留外国人数が増えてくると、日本語教育の需要は否が応でも増してきます。

 

外国人に日本語を教えること

外国人に日本語を教えることは、特に教職につかなくてもできることで、地域ボランティアが公民館等の施設で教えていることは多いです。

 

日本語教師を職業にするということについて、いろいろと調べてみましたが、一定の要件を満たせば資格は取れますが、資格を取るまでにまず時間・お金がかかります。また、資格を取ってからも、雇用が約束されているわけではなく、一旦日本語教師として働き始めても、決して待遇はよくないということがわかりました。もちろん、待遇だけではなく、実際に外国人に日本語を教え、それで学習者の成長を実感できたときは、やりがいや喜びはとても感じると思います。僕自身、人の成長を促進できるということは、とても心の満たされることです。ですが、社会人が、いざ日本語教師に転身したいと思っても、なかなかハードルが高く、二の足を踏む人が多いのが現状ではないでしょうか。

 

一方で、国内の日本語教師数は不足しているようです。

需要があるのに、供給が足りておらず、それにも関わらず、決して賃金水準が高くない。保育士や介護と同じようないびつな状況ですが、あまり話題に上らないのは、相手が外国人だからでしょうか。

日本語教育について調べてみた - 学習者の現状

最近、外国人に日本語を教える、ということを考えていました。

 

きっかけは、コスタリカにいったときに泊まったパン屋兼ホステルの宿泊客との会話。オーストリア人のジェントルマンは、南米で英語を教えながらお金を稼ぎながら旅をしており、ドイツ人の女性は、コスタリカの学校で英語教師をしていました。

 

外国人に英語を教えることなど、僕の英語力では到底不可能ですが、では母国語である日本語を教える、ということは職業になるのか?

 

日本には、外国人に日本語を教える職業として、日本語教師があり、ネットにも様々な情報が溢れています。昨今、日本は訪日観光客数が過去最高を記録するインバウンドブームで、海外でも日本文化ブームとなっているとメディアでは報道されていますが、日本語学習を取り巻く環境はどうなのか。調べてみると、比較的新しい情報が見つかりました。

 

日本語学習者の現状

2015年度海外日本語教育機関調査結果(国際交流基金)

 

これによると、海外の日本語学習者数は、2015年には減少に転じています。

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理由は、学習者数上位3位の中国・インドネシア・韓国の教育課程変更や少子化の影響で、3か国の数値がすべて減少しています。

 

一方、この3か国を除くと、海外の学習者数は増加しています。

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また、日本語教育の機関数は、韓国以外は概ね増加しており、世界全体で見ると、中華圏に偏っていた状況から、より多様な文化圏に日本語教育が浸透してきていると言えそうです(それでも十分、中華圏の学習者数は多いですが)。

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日本国内でも、外国人登録者数は韓国人が減少する一方、最近ではネパール人、ベトナム人が増加しており、国内の日本語学習者もより多国籍化しています。

 

今後は?

訪日観光客はこれからも増えていく、国としても増やしていく方策なので、日本文化に興味を持つ人は増えていくと思います。ただ、海外での日本語学習は、各国の教育課程に左右され、外国語として近隣の諸外国が英語を重視する方向に進んでいるため、そうなると日本語学習の優先度は低くなります。一方、日本政府は高度人材や技術労働者として海外から人に来てもらおうとしているため、日本国内での日本語学習者数は増えていくのではないでしょうか。

実際、文化庁の調査でも、学習者数は増えています。

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出典:平成 26 年度日本語教育実態調査の結果について

そうなると、日本語教師の需要は高くなっていくはずですが、こちらはまた別の機会に書こうと思います。

 

現地のBean to Bar in Costa Rica

コスタリカはコーヒー生産国として有名ですが、カカオについてはあまり知られていません。

 

コスタリカのカカオ

カカオは元々、中米で古くから存在しており、硬貨としても使われていました。

コスタリカでは、Bribriという原住民族が、カカオを宗教セレモニーのときに使っていました。

20世紀までは、カカオは重要な経済作物だったようですが、後にコーヒーやバナナに主要作物の地位を奪われ、また、海外から持ち込まれた病気で大部分のカカオの木は失われてしまい、現在はほとんど輸出はしていないようです。

 

今回行ったお店

今回、Bribri居住地の近くに滞在したため、カカオの情報に触れる機会があり、現地でBean to Barを実践している方に話を聞く機会がありました。

行ったのはCaribeans Coffee&Chocolateというお店。

ここでは、オーナーが、店の裏にある農園・カカオ加工場を回りながら、カカオのことについて教えてくれるカカオツアーを提供しています。

オーナー曰く、ツアーに参加した日本人は初めてとのこと。

 

カカオの実

 

オーナーは欧州からの移住者。元々ボランティアとしてコスタリカに来たが、移住を決め、生活していくためにコーヒー屋を始めたのだそう。その後、Bribriの生活からカカオに注目。

彼らはカカオを栽培していたが、基本的にはセレモニーのために使っており、味は気にしていない、また貧しい生活から抜け出せていませんでした。

オーナーは、Bribriの農家を一軒一軒回りながら、カカオの価値、カカオ栽培からチョコレートを作るまでの工程の違いで味が違ってくることを話し、カカオを公正な価格で買い取り、自分はカカオ栽培や精製工程を教えてもらうことで、地域の農家と信頼関係を築きながら、チョコレートのことを学んでいきました。

 

カカオツアーでの途中で試食できます。様々な農園由来のチョコと、香辛料など。チョコ・コーヒーパウダー・塩の組み合わせは意外と合います。

 

カカオを細かくすり潰しています。この加工場は手作りで工夫した工程がいっぱいで、見ていておもしろかったです。大量生産の機械がなくても、十分生産できてます。

 

コスタリカ原産カカオを使用したチョコレートは、オーナーのお店で売られています。大型小売店のチョコレートと比べると、決して安い値段ではないですが、カカオの品種・農園・精製方法によって異なる味が楽しめます。自分の舌に合う味のチョコレートをきっと見つかります。

 

消費の現地回帰 

先進国では、Bean to Barは最近のトレンドとなっています。ただ、こうしてカカオ原産地に来て思うのは、現地の生産者や加工者に触れることで、カカオの魅力、カカオを取り巻く現状が腹に落とし込まれました。

 

現地で取れた作物を現地で加工し、観光客・地元の人々に販売する。カカオのようなコモディティは、高品質のものでも低価格で先進国に輸出され、手頃な値段で消費者の手に届いていましたが、世界規模での地産地消は加速していくのではないでしょうか。それで、生産国にお金が回って、生産者が報われるような仕組みになってほしいと思います。

 

もちろん、今ではネットで簡単に、遠く離れた場所の食べ物も手に入る時代なので、消費者は現地に行く必要はないかもしれません。ただ、生産の背後にあるストーリーを現地で知り、自分の中で納得感を持ったことで、チョコレートを口に入れる際に、頭の中で記憶が呼び出され、より味に深みを感じるような気がします。

 

何でも手に入りやすい世の中だからこそ、そこでしか買えない・体験できないことは非常に価値が高いと感じます。

 

「世界のいいワインを作っている農家は、正当な報いを得ている。カカオ農家もそうなってほしいし、それが目標。」

生産者と消費者を公正につなごうとする、サステイナブルな考え方のオーナーはとても魅力的でした!

おすすめのお店です。

 

 

 

 

コスタリカ Puerto Viejo

先日、仕事の休みをいただいて、コスタリカに行ってきたので、そのときのことを書いてみる。

 

僕が滞在したのは、Puerto Viejoというカリブ海側の田舎町から、さらにパナマ側に少し行った、Playa Chiquitaという自然豊かなところ。

 

 

背後には熱帯雨林のジャングルがそびえ、徒歩数分で、未整備のカリブ海ビーチがある。

 

朝はジャングルの動物の鳴き声で目覚め、昼間散歩すると、見たことのない動物や虫が見れて、夜は心地よい風の中で眠る。

 

今回、Workawayを利用して、Hostelの手伝いをして泊めてもらった。Ownerはコロンビア人で、とても家族的でフレンドリー。

使い古したタオルでも使えるものはリサイクルし、生ごみは庭でたい肥にし、持続的な生活をしている。

 

あるとき、サシハリアリ(Bullet Ant)という刺されると強い痛みがあるアリを見つけた。

害虫は駆除!という考え方が日本では一般的だが、ここではこのアリをピンセットで捕らえ、被害のないよう、離れたところに移動させていた。無駄な殺生はしない、という文化。

 

コスタリカでは、政府が自然保護には積極的に取り組み、エコツーリズムの先進国として有名。その考え方が、国民にも根付いているように感じた。

 


 

伊豆の魅力

先月、伊豆に行ってきた。

伊豆に行くのはこれで2回目。

伊豆は、日本の他の地域にはないような、魅惑の摩訶不思議スポットだ。

 

頑張りすぎていないところがいい。

豊かな自然に囲まれて、来るもの拒まず、去る者追わず、来たらゆっくりしていきなさい、お帰りは狐に化かされんよう気を付けて、そんな空気を伊豆からは感じる。

大きなショッピングモールがあるわけでもなく、賑わった駅前で観光客を呼び込むような声も聞こえてこない。古くから温泉保養地、観光地として栄え、多くの著名人・文豪も訪れたが、今は過疎化が進み、すれ違う人は皆高齢の方ばかり、人口も流出の一途。そんな状況でも、人はオープンで、せかせかしていない、どこか気にしていない様子。(あくまで個人的な感想)

哀愁とノスタルジーが混ざった潮流が自分の心に流れ込んできて、日頃の悩みや謙遜を流してくれるような感覚。

静岡の県民性が相まって、独特の風土を作り出している。

 

伊豆は魅惑のB級スポットの宝庫としても有名。

僕はまだ伊豆極楽苑(+プチ秘宝館)しかいったことないですが、他にも、いっぱい

道を走っていても、究極のそばの看板が数100メートルごとに表れたり、森自体がトリックの撮影で使われていそうな雰囲気だったり。海は、本州では見たことないエメラルドグリーンでめちゃくちゃきれい。

 

まだまだ、探りたい魅力がたくさんある、興味の尽きない場所です。

Melting Point

US出張から帰国しました。

今回は、専門領域を同じくする世界各国から来た人たちとのWorkshopに参加してきました。参加者の国籍は、US、中国、スイス、メキシコ、トリニダードトバコ、チリ、オーストラリア、アルゼンチン、フィリピン、日本、ペルー、タイ、エジプト、パナマ(Hot!)、ブラジル、etc...

 

ありがたいことに、US出張は2回目(北アメリカはカナダを入れて3回目)でしたが、何度言ってもUS文化の、多様性への寛容さ、オープンさ、率直さには素晴らしいものを感じます。

 

笑顔、スキンシップ、インタラクティブ、リスペクトがコミュニケーションの基盤に流れていることが感じられ、とても心地よい日々を過ごしました。

 

今回は特に、中南米の人々と多くの時間を共にでき、話ができたことが印象的でした。基本的にフレンドリーでとても陽気、スペイン語うずめく中にひとり勝手に飛び込んでも、温かい、楽しい時間を過ごせる。行きたい国がまた増えました。

 

また今回、参加者向けにプレゼンする機会がありましたが、英語の下手な日本人は、うまくやろうとするのではなく、どう魅力的に、記憶に残るようにできるかがカギでした。自分では反省するところばかりでしたが、よい内容だと、"Good Presentation"としっかり伝えてくれる、言語化してくれるいい環境でした。

 

多様性の中で逞しく生きたい。

 

ふるさと納税と道州制

昨年末、初めてふるさと納税をしてみました。かなり浸透してきた制度だと思いますが、2015年から、条件を満たせば確定申告が不要になったようで、実際に行ってみて、面倒な手続きは必要なく、簡単に進めることができました。

ふるさと納税とは、自治体への寄附金のことです。
個人が2,000円を超える寄附を行ったときに住民税のおよそ2割程度が還付、控除される制度です。
また、2015年4月1日より、確定申告が不要な給与所得者等に限り、確定申告の代わりとなる「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を寄附先自治体へ寄附する都度提出(郵送)することで住民税から控除されます。
つまり、実質今収めている県民税・市民税の一部を任意の自治体へ移転する事になります。

(ふるさとチョイスHP) 

 

わずか2,000円の負担で、一人では食べきれない量のカニ・アンコウ・ノドグロなどの海鮮物が届きました。初夏にはさくらんぼの王様、佐藤錦も届く予定で、楽しみな限りです。

 

このふるさと納税地方自治体の財源として、道州制の実現を後押しする制度になる可能性があるのではと期待しています。

 

道州制、最近この言葉をあまり聞かなくなりましたが、昨年、実現をかけて住民投票が行われた大阪都構想のと同じく、東京一極集中を打破する方策のひとつです。(住民投票では僅差で反対派が勝り、結局、都構想実現に向けた動きは途絶えてしまいましたが。。。)

僕は、道州制で、地方の自由度を高めて、各々の土地柄を生かした特色を出していければいいなと思っているのですが、そのときに問題になるのが財源です。

今でさえ、地方交付税交付金地方財政の歳入の2割弱を占めており、国に歳入を頼る状況になっていますが、ふるさと納税制度で、各自治体が地方交付税交付金の割合を減らすことになるなら、道州制の議論も再燃してくるのではないでしょうか。

(もちろん、道州制になり、国が元来行っていた所得税法人税・消費税などの税の徴収を、道州が行うという制度に変更すると、税制そのものが今と大きく変わることになりますが。)

 

ふるさとチョイスのサイトを見ていると、今は自治体によってかなりやる気に差があるようでおもしろいです。各自治体のやる気がどう変わっていくか、変なところにも着目しながらこの制度を利用していきたいです。